【書評】頼ることもGIVEだった。『小さなGIVE』実践記

「もっと周りと良好な関係を築きたい」「気が利く人だと思われたい」

そう思うあまり、頼まれてもいない仕事を無理に引き受けたり、誰かのために余計なことまでしてあげたりすることがよくありました。

また誰かが手伝ってくれようとしているときも、ついつい反射的に「大丈夫!」といってしまうこともしばしば…

「自分が全部やらなきゃ」と一人で抱え込んでは勝手にすり減る毎日…

そんな、空回りばかりの日常のなかで手に取ったのが、今回紹介する『小さな「GIVE」』です。

これを読んだからといって劇的に人生が変わった!

…なんてことはもちろんありません。

でも今の自分を変えるヒントをもらえたので、少しシェアしてみたいと思います。

「与える」ハードルを下げてくれる一冊

本書の著者は、3万人以上の起業家を支援してきた今井孝さんです。

ビジネス書などでよく言われる「与える人がうまくいく」という言葉。

でも、具体的に何をすればいいかわからないし、自分には与える余裕なんてない、と感じる人は多いはずです。

本書は、そんな「GIVE=自己犠牲や大きな貢献」というハードルをぐっと下げてくれます。

「予備のペンを2本持っておく」といった日常のささいな行動を通して、自分も相手も幸せになれる「すり減らないGIVE」の考え方が詰まった一冊です。

自分のGIVEは、ただの見返りの強要だった

本を読んで一番図星を突かれたのが、「自分がすり減っているGIVEは長続きせず、見返りを求める原因になる」という指摘でした。

まさにこれまでの自分がそうでした。

良かれと思って仕事を引き受けすぎて疲弊し、お礼を言ってもらえなくて損した気分になる。

これは相手を思ってのことではなく、ただ見返りを求めていただけだったのだと気づかされました。

本書には、「我慢のGIVE」はしてもらった側も辛いということ、そしてGIVEは無理のない範囲で、与えること自体に喜びを感じられるものであるべきであるということが書かれています。

もう一つハッとさせられたのが、「頼る」「任せる」「受け取る」こともまた、相手への立派なGIVEになるという視点です。

これまで私は、「手伝おうか?」と言ってもらっても遠慮して断ることがしばしばありました。

でも本書を通して、人は誰かの役に立つことで喜びを感じる生き物であり、頼みごとをされると嬉しいものだと学びました。(よく考えたら自分もそうでした。)

私は遠慮することで、部下や周りの人が「頼られる」「任される」「成長する」というGIVEを受ける機会を、無意識のうちに奪っていたのかもしれません。衝撃です。

また本書では、なぜGIVEが重要なのかについても触れられています。

誰かに与えることは、周りから応援されるようになるだけでなく、「自分は役に立っている」という揺るぎない自信につながるからです。

だからこそ、自分だけが一方的に与え続けて、その喜びや自信を独占してはいけないんですね。

相手にも「与える喜び」を味わってもらうために、好意を素直に受け取り、ときには弱みを見せて頼ることが、本当の意味で温かい関係を作る土台になるのだと考えさせられました。

ゆっくり試行錯誤を続けていく

じゃあ、この本を読んで自分がすっかり生まれ変わったかというと、もちろんそんなことはありません。

長年のクセは簡単には抜けず、今でもつい仕事を抱え込んでしまいそうになる日はあります。

それでも、意識的に少しずつ行動を変えてみることにしました。

相手が話しているときは、笑顔で大きくうなずくようにしています。

(たまにやりすぎて、相手から「どした?」と言われますが…)

予備のペンは常に私の胸ポケットに入ってます。

そして何より、相手からの好意は素直に受け取り、自分からちょっとした頼みごとをして、弱みを見せるようにしています。

劇的な変化はないものの、相手からの施しを受けることや、人を頼ることもGIVEだと気づいてから、職場の部下とのコミュニケーションは確実に増えました。

少しだけ、自分自身の気持ちにも余裕が生まれてきた気がしています。

これからも「すり減らない小さなGIVE」を、失敗しながら泥臭く試行錯誤していくつもりです。

もし、同じように「良かれと思ってやっているのに、なぜか疲れてしまう」と悩んでいる方がいたら、まずは「相手からの親切を遠慮せずに受け取る」ことから、一緒に試してみませんか?

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